建築家・菊竹清訓を父とし、彼の設計による住宅「スカイハウス」で育ったアーティスティックな環境が、彼女のアイデンティティーを確立する源になっている。大学で建築を学び、卒業後は日本デザインセンターに勤務。その後イタリアの文化に引き寄せられた彼女は、ミラノのインダストリアルデザイナー、アンジェロ・コルテージ氏のもとでデザインの視野を広げ、1990年株式会社コンパッソを日本に設立する。また、94年には文化庁派遣芸術在外研修員として、英国RCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)で建築、空間、環境にかかわる、既成概念にとらわれないグラフィックデザインを学ぶこととなった。
そういったグローバルな経験から得た斬新さと繊細さをかねそなえた視点で、ランドマーク、スペース、車両、工事現場に関わるスーパーグラフィックから、VIデザイン、プロダクトデザイン、ブックデザインまで、ジャンルを超えたデザインを手がけている。